「口腔ケアで肺炎予防を」

11月になり、日毎に寒さも加わる今日この頃、当苑の利用者様も冬の過ごし方やお鍋の話で盛り上がる季節となりました。

冬になると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすい時期です。今回は誤嚥性の肺炎とその予防として当苑で行っている口腔ケアについて取り上げました。

高齢者の肺炎の7割以上は、細菌を含む唾液や食物が器官や肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎だと言われています。特に寝たきりや脳血管障害、認知症の患者ほどリスクが高くなります。

この予防の一つとして口腔ケアがあります。歯科医師である米山武義氏の調査報告によると、対象者366人のうち、184人は口腔ケアグループとして、２年間にわたって口腔ケアを受けたのに対し、182名は従来どおりとし、付加的な口腔ケアを受けなかった。その結果、182名の非口腔ケアグループにおいて34 名（19％）に新たな肺炎が発症したのに対し、口腔ケアグループでは21人（11％）であったとされています。

日常的口腔ケアと専門的口腔ケアの徹底は、口腔内の病原菌を減らすだけでなく、口腔への刺激により嚥下機能が回復して、食事が進むようになり、栄養状態が改善します。ひいては免疫力が向上して肺炎の予防につながるというのが定説であると言われています。

コスモス苑では、毎食後の歯磨きや入れ歯のケアはもちろんですが、週に一度訪問歯科を行なっており、歯科医による歯科診療と歯科衛生士による専門的な口腔ケアを実施しています。