握力とは、物を握るときに発揮される力のことで、主に前腕部と上腕部の筋によって力が発揮されます。主に上半身の筋力となりますが、握力は全身の総合的な筋力と関連があることが多くの研究で明らかになっています。

高齢者の握力測定の意義

握力は難しい動きを必要とせず、短時間で安全に測定することができるため、高齢者の筋力測定に適しているといえます。さらに握力は下肢の筋力やその他多くの部位の筋力と相関関係が高いため、全身の筋力の程度を知るための指標として用いられます。

これらのことなども踏まえてコスモス苑では握力を鍛えるリハビリなども行っています。その中で今回はセラパテを紹介させていただきます。

リハビリとしてセラパテを握ったり、伸ばすことにより手指のリハビリになり握力などの維持・向上につながると考えてリハビリに導入しています。

また、握力のアプローチだけでなく、セラパテを長細く伸ばす（図1、図2）、細かくちぎる、豆状に丸めるなど、手指の巧緻動作を促すことができます。

机上で安全に行えるため片麻痺の症状がある利用者様などは自主訓練で取り組んでいます。

図1， 机に押し付けながら手のひら～指先で転がします。うどんの細さになるまで続けます。

図2， 手指の伸展制限があるため、伸展を促しながら実施します。