今回は「排泄」における認知症ケアのご紹介をしたいと思います。

Aさんは、入所される以前、居室や廊下の隅などトイレ以外の場所に放尿・放便をされていました。入所にあたり衛生面や他の入所者様の不快感など様々な問題がある為、改善を図る必要があります。

まずは認知症の影響による可能性もある為、しっかり様子観察を行い、原因を探って、その方に合った対応を検討していく事からはじめました。

その結果、Aさんの場合、尿意・便意はある程度あって、トイレに行きたくなると辺りをキョロキョロしたり、落ち着きがなくなることが分かりました。

その為、放尿・放便の原因は

①トイレの場所がわからない

②トイレまで間に合わない

ことであると考えました。

また、放尿・放便をする時間帯を特定でき、排泄の動作についてはズボンを下げる等の一連の動作がご自身でできることも分かりました。

介護の基本である「自立支援」を念頭に置き、過介助にならないようにAさんの対応策を職員間で話し合い、

落ち着きがなくなったり、放尿・放便をする時間帯にこちらからトイレへご案内することにしました。

現在、入所から２か月経ちましたが放尿・放便はほとんど見られなくなりました。

今後の課題はトイレの場所を覚えてご自身でトイレまで行けるようになる事です。

これからも「その方に合った認知症ケア」を心がけていきたいと思います。