今回紹介する症例は、80代男性、既往に脳梗塞後の後遺症である片麻痺がある方で、

「以前のように普通に歩きたい」との希望がありました。

元々は独歩であり、屋外も問題なく歩行可能でした。

ですが、入院を期に下肢の筋力低下が著明に見られて入所当初は、歩行速度が速くなったり、躓くことが多くみられたりと転倒するリスクが高かったため、屋内移動はT字杖を使用していただきました。

歩行時の躓きを改善するために、股関節や足関節周囲の筋力強化を行いました。

歩行速度の改善のために鏡を用いて姿勢の改善を図り、脊柱を真っすぐに保てるように腰背部の筋力強化やバランス訓練を行いました。

現在では、屋内・屋外ともに独歩で移動されており、歩行時の躓きはほとんど見られなくなりました。

また、ご自身で姿勢を意識して歩行できるようになり、以前のように速度が速くなることも見られなくなりました。

しかし、歩行時の前傾姿勢はまだ改善する必要があるため今後も筋力強化や姿勢指導などを引き続き行っていきたいと思います。