【特集・排泄支援】#7 第51回髙仁会学会にてみごと銅賞(第3位)受賞!
11月12日(水)に法人内で行われました第51回髙仁会学会において当苑の排泄支援の取組みが堂々の第3位 銅賞を受賞いたしました。
発表内容はこれまでブログでもお伝えしてきた排泄支援の取組みです。たった一人の呼びかけからフロア全体を巻き込む大きな取組みとなったコスモス苑の排泄支援。ご利用者様の回復を積み重ねてきた日々の努力が今回このような形で評価されたことをとてもうれしく思います。
以下に、当日発表した内容を抜粋いたします。
演題 排泄支援の取組み オムツ使用者を布パンツへ導く支援モデルの検証 ~生活の質と尊厳の回復に向けて~
【はじめに】
コスモス苑を繰り返し利用されるご利用者やご家族より「コスモス苑を退所してからおむつや寝たきりになってしまった。」と言われることがありコスモス苑の他職種連携による排泄支援モデルの構築に意義を感じた。
【研究目的】
1.QOL・ADL・満足度の向上
2.羞恥心を伴う排泄ケアの真価を問う
3.排泄行動の確立により在宅復帰の可能性を高め超強化型老健としての機能を強化する。
【研究内容】
対象者:2025年1月1日~9月30日までの新規入所者148名
ー内訳ー
男性73名(平均年齢83.1歳・平均介護度要介護2.3)
女性75名(平均年齢82.9歳・平均介護度要介護3.3)
1人当たりの観察期間:入所から退所までの約3か月間
排泄支援加算Ⅲの要件を満たした件数を成果として分析する。
※排泄支援加算Ⅲとは
排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている施設等において、適切な対応をおこなうことにより、要介護状態の軽減が見込まれる者について
・施設入所時等と比較して、排尿・排便状態の少なくとも一方が改善するとともに、いずれにも悪化がない。
・又は施設入所時・利用開始時に尿道カテーテルが留置されていた者について、尿道カテーテルが抜去されたこと。
・かつ、おむつ使用ありから使用なしに改善していること。
【研究方法】
■本人・家族との方向性の確認
■自宅での生活を把握し支援に活かすための自宅訪問
■介護士・看護師・リハビリ療法士等、他職種によるアセスメント
■排泄パターンを把握しトイレへの誘導時間を工夫する
■毎日のリハビリや集団レクリエーションによ身体機能の向上をはかる
■あたたかい声掛けや失敗しても繰り返しの挑戦を応援する姿勢を大切にして関わる
■ミーティングで情報を共有する
《失禁要因をパターン別に分類》
失禁パターン① 尿意のない方
排泄パターンの分析をし失禁前にトイレへ誘導する
日々の観察により尿意をもたらす些細なサインを見逃さない
失禁パターン② 尿意が行動に結びつかない
本人の抱えている問題や不安によりそい問題の解決を図る
排泄行動への意欲を引き出していく
失禁パターン③ 尿意があってもトイレに間に合わない方
トイレまでの動線を確保したりトイレ場所がすぐにわかる工夫をする
【症例紹介】
失禁パターン① A様のケース
失禁パターン② B様のケース
失禁パターン③ C様のケース
【結果】
148名中94名に排泄機能の向上が見られました。入所時全介助から一部介助にて排泄が可能になった利用者は14名。一部介助から見守りになった方が60名。見守りから自立にて排泄が可能になった方が20名居られました。
また排泄機能が向上した94名中、布パンツでの生活が可能となった利用者は39名居られました。
こちらは排泄支援加算Ⅲの月別実数の推移です
排泄支援加算Ⅲ、布パンツでの生活が可能となった方は、1月の1名から9月、16名へと増加しました。期間全体でいうと148名中39名、約4人に1人の方がオムツから布パンツへの移行に成功しました。
【考察】
この結果から多職種で適切にアセスメントし、排泄パターンを把握することで個別性が生まれ、失敗要因の分析に繋がっていると考えられます。
リハビリによる身体機能の向上はトイレ動作の自主性を高め、
職員との信頼関係を構築し、あたたかい声掛けを行うことで意欲の維持と尊厳の回復に直結したと言えます。
また排泄支援を通し画一的な排泄介助を行うのではなく、個別ケアの重要性を職員が見出し多角的なアプローチへ繋がったと考えられます。
最後に私たちはこれからも老健の強みである、多職種連携の力を活かし、それぞれにあった個別ケアを心掛けながらコスモス苑に入所して良かったとさらに多くの方から声を頂けるように精進してまいります。
今後のあゆみ
”できた”という笑顔に立ち会えることは、支援をする側にとっても大きな励みです。こうした瞬間を積み重ねることは、ここで働く私たち自身の成長やモチベーションにもつながります。
これからも地域の皆さまに信頼される施設として歩みを進めてまいります。
交通アクセス情報
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【電車でお越しの場合】
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