自助具は、病気や障害によって手足が不自由になったときに、できなくなったことができるように手助けするための道具です。
病気や障害によって、日常生活において、箸で食事をしたり、服を着たりなど身の回りの動作がむずかしくなることがあります。
自助具は、このような身の回りの動作がより簡単に自分でできるように工夫されています。

リハビリテーションの中で、よりよい生活を送れるように自助具を使った練習をすることがあります。自助具は既製品として販売をしているのもあれば、簡単に手作りでできるのもあり、食事、整容、更衣、排泄、調理などの場面で使用されます。

１．箸
特徴：どのように握っても、箸先で食べ物がつまめます。
対象： 手指の変形や指の力が弱く、箸で食べ物をつまみにくい方。 口に運ぶ途中で落としてしまう方。

コスモス苑での適応例
対象：親指に力が入らなくなった方（横手根靭帯にアミロイドが沈着して靭帯が肥厚し、正中神経を圧迫するため親指から薬指までがしびれ、親指の筋力が著しく低下した方）

経過：親指が使えないためスプーンを握って食べていましたが、ご本人の好きな麺が食べられないため、握って使える箸で食べる練習と指の筋力強化訓練を行いました。その結果、握って使える箸で食事が可能になりました。さらに筋力強化訓練を継続し親指と人差し指の筋力が強化され、作業療法士が作成した直径1.5㎝の太い箸を使って麺を食べることができるようになりました。この方は、指の力が回復したため、鉛筆で手紙を書くことができるようになりました。

２，ソックスエイド
特徴：足部に手が届かなくても靴下を履くことができます。
対象：腰や足が曲りにくく、足に手が届かない方。

３，台付き爪切り
特徴：手をのせて押し下げるだけで、片手だけで爪を切れます。
対象：片手の不自由な方、指の力が弱い方

（台付き爪切り例）

４，カウンターハンドル
特徴      ドアのかぎ（サムターン）、ガスの点火スイッチ、ガスの元栓等に突起部分を押
し付けてまわします。
対象：指先に力が入らない方、指の関節が弱い方

当苑では箸のケースのように、上記の自助具等を活用、訓練を行うことでADL向上を目指しています。