お知らせ・活動内容

三つ編み作業② ―会話の促進につなげるために―

先月紹介しました、みつあみ作業はどの様な効果を与えることが出来るのか紹介いたします。

 

なじみの関係づくり

認知症が進行すると発話は一方的になる傾向が強まり、他者に話しかけることも減少します。話しかけることを意識的にしないと発話ができなくなってしまいます。

そのため、認知症の方へのスタッフや家族からの話しかけも必要ですが、認知症の方が自ら話す機会が必要になります。話す機会を作るためには、話すきっかけが必要で、認知症の方に何か作業を体験してもらったり、何かを見たり、触ったりしていただいて発話を促します。

他者が作業を行っているのを見かけて、話しかけてくる認知症の方は珍しくありません。他の人が三つ編みをやっているなら、自分も三つ編みをやってみようと思う認知症の方もよくいらっしゃいます。他者の行動を見てやる気が出るのは自然な行動ですが、誰もが座ってテレビを見ていれば、やる気の出る環境づくりが必要になります。例えば、ご家庭で家族全員がテレビを見ていて、受験生の息子だけ勉強をしろというより、家族全員が居間で何かの勉強をしていた方が息子も勉強しやすい環境かもしれません。

図2のサンタクロースの貼絵はコスモス苑の利用者の方々がみなさんで協力し合って作りました。複数の認知症の方々が集まり、作業をすると、認知症の方も自然と会話が生まれます。このような作業を行いながら、職員は利用者の方の昔話などを質問することで、集団で昔話(回想)が可能となります。職員は集団の対人交流を促進し、なじみの関係づくりに努めることがあります。

 

自ら話しかける,または、話しかけられた時に話す

みなさんもご自分が認知症になった時を想像してみてはどうでしょうか。

誰とも話さず、感情表出が少なく、集団の中でひとりぼっちの日々を過ごす場合と、誰かと少しは話し、時には笑って、顔馴染みの人とふれあいながら過ごす日々とどちらを望みますか。

重度の認知症になると会話は非常に難しくなりますが、重度になるまでの数年間を誰とも話せない生活を送るのは避けたいものです。

また、地域での高齢者の生活機能の測定するための老研式活動能力指標というスケールがあります。このスケールは認知症ではなく、比較的元気な高齢者が対象になりますが、手段的自立5項目、知的能動性4項目、社会的役割4項目を評価することができます。そのスケールは13個の質問に答える形式ですが、13個目の質問に「若い人に自分から話しかけることがありますか」があります。若い人に話しかけることが、生活機能に影響しているためこの質問が含まれています。話しかけられた時に話すのではなく「自ら話しかける」ことは認知症の方も必要な生活の一部かもしれません。

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