左手で字を書きましょう! 利き手交換
脳卒中で右手の麻痺が強い場合に、左手で字を書く練習を行うことがあります。
これは利き手交換の訓練の一つです。以下に左手で字を書く練習の手順を紹介致します。みなさんも試しにトライしてみてください。
手順
1、まず、左手で濃い鉛筆(ペン)を持ちます。持つ時は図1、のように3本の指でつまみます。
2、左手を机の上に置き、指先で鉛筆(ペン)を動かします。
3、直線を書くために、縦線、横線を何度かゆっくり書きます(図2の赤枠内)。
4、次に、曲線を書くために、円をゆっくり書きます(図2の赤枠内)。
5、それらに慣れてきたら、カタカナをなぞります。
6、ひらがなをなぞります。
7、漢字をなぞります。
図1.小指を机上に着けて書く
図2.直線、曲線の練習
フォームが大切
1、左手で鉛筆(ペン)を上手く持てない場合は、右手で鉛筆(ペン)を持ち、指と手首の位置を確認して下さい。その後、右手で持ったように左手で鉛筆(ペン)を持って下さい。
2、できない方には、指導者が同じ向きから鉛筆を持ち、持ち方のモデルを見せて対象者に真似てもらいます。
3、図3、は手首が机上から浮いた状態で指先を微妙に曲げ伸ばしする協調運動に影響があります。また、鉛筆(ペン)を指先ではなく、指の中心に近づけて持っています。
4、図4、は手首を机上に着けて、ペンを指先で持っています。これは身体の中心側の手首の固定がしっかりしているため、指先の協調運動が容易になります。
図3.手首が浮いている
図4.手首が机上に着いている
固定が大切
図5下の写真のように、手首を机上に置いて、身体の中心側の固定がしっかりしていると、末梢の指の協調運動が容易になります。字が揺れず、真っ直ぐに書くことができます。
図5.ペンの持ち方の比較
練習前と練習後の比較
図6、の左側は練習前に左手で書いたものです。
赤枠内の右側は練習後に書いたものです。左側に比べて右側の文字の線の方が揺れていないように見えます。
この練習は10分間で行いましたが、さらに練習をすると右手で書くように左手で書くことができるようになります。
図6.練習前後の文字の変化
書く時の姿勢も大切
図7、のように腹部に力を入れず、背中を丸めて、身体を傾けていると、身体の中心側が固定しっかりされず、書いている最中に上半身がぐらぐらしている状態で、手の細かな協調運動が難しくなってしまいます。腹部に力を入れて真っ直ぐに座ると身体の中心側が固定されて、手の協調運動がうまくできるようになる場合があります。
図8、のように立った状態で書くと腹部に力が自然と入って、姿勢を真っ直ぐにしやすい場合があります。真っ直ぐに姿勢を保てない発達障がい児がこのように立って練習する場合があります。
図7.悪い姿勢
これらの練習のように、リハビリテーション分野では、座る姿勢の修正を重視しています。
さらに、体の中心側の固定をしっかり保持すると、手足の細かな動き(協調運動)が容易になることがあります。
交通アクセス情報
〒335−0026 埼玉県戸田市新曽南3−6−23
【電車でお越しの場合】
- JR埼京線 戸田公園駅より徒歩約15分
- JR埼京線 戸田公園駅西口より国際興業バス系統[戸52]または[川52]の バスで「新曽南二丁目」下車、徒歩約5分
- JR埼京線 戸田公園駅西口より戸田市コミュニティバス toco 南西循環で 「新曽南三丁目」下車、徒歩約2分