膝疾患の愁訴にはさまざまなものがあります。最も多いのは疼痛で、次いで膝関節の不安定性、可動域制限などが、挙げられます。これらは当苑の利用者様にも多くみられる疾患でもありますので、今回ご紹介いたします。

医療機関では、治療(手術、関節内注射、内服薬、装具、テーピング、運動療法、日常生活指導等)を目的としますが、当苑のような老人介護施設は、家庭と病院の中間に位置付けられ、ある程度の医療行為が終了した利用者様が入所されます。

膝関節の保存療法では原因治療以外に、愁訴、症状を軽減する目的で行う対症的なものが多く、最も基本的なことは、膝関節の安定性を保つことです。そして、筋力強化を行って筋力低下・筋萎縮を治療することが当苑で取り組んでいる運動療法です。

左図より）

①仰向けになって片方の膝を垂直に曲げます。

②もう片方の膝を伸ばしたまま、ゆっくり上げ床から10ｃｍのところで５秒間脚を静止します。

③ゆっくりと脚を床におろし、２～３秒休みます。これを20回、左右の脚で繰り返します。

右図より）

①椅子に腰かけて片方の膝をゆっくり上げ５秒間、脚を静止します。

②その後にゆっくりと脚を床におろし、２～３秒休みます。

③これを20回左右の脚で繰り返します。

①膝の間にボールを挟んで、ボールをしっかり潰していきます。

②10～20秒ゆっくり潰して、ゆっくり元に戻します。

※椅子に腰かけても仰向けになっても構いません。

③これを10回3セット行います。