今回は、コスモス苑から自宅へ戻ることができた事例をご紹介いたします。

左大腿骨頸部骨折を入所の半年以上前に受傷した方でして、入所前は病院でリハビリをしており、在宅復帰を強く望まれていました。

入所後1ヶ月は平行棒内での歩行訓練を実施し、健側（骨折していない方の脚）でケンケンをするように歩く練習を行いました。どうしても患側（骨折している方の脚）をついて歩いてしまうため、繰り返し練習をしました。

また、1ヶ月目から、ピックアップ歩行器で短い距離を歩く練習も行いました。平行棒内で歩く時よりも恐怖心があり、初めの頃は上手く歩行器を扱うことができませんでしたが、繰り返し練習することで見守りで歩けるようになりました。

2ヵ月目には、歩行器でトイレに行く練習・トイレ練習を繰り返し行いました。ご家族との面会では、実際に歩行器で歩いている様子をご覧いただき、「だいぶ歩けるようになりましたね」とおっしゃっていました。

3カ月目には、多職種と連携をして、介護士の付き添いのもと歩行器でトイレに行くようになりました。リハビリの時間だけでなく、普段のトイレでも歩行器で移動することにより、歩く機会が増えて良い練習になります。また、玄関前に高い段差があったためスロープの導入を提案しました。

段階的にリハビリを行うことによって、無事自宅に戻ることができました。